STORY

〜銀河英雄伝説の物語〜


 時代は、今から数千年先の未来。人類は、資源の尽きた地球を捨て、新たな星へと移りすんでいる。いつの時代も、人々は争うことをやめようとはしない。その時代も、銀河系の2大勢力となっている、専制国家・銀河帝国と、共和国家・自由惑星同盟との戦争が行なわれている。その戦乱の世に誕生する、二人の名将。一人は、専制国家に生まれ、現王朝の体勢を憎む、戦争の天才ラインハルト・フォン・ミューゼル。そしてもう一人は、対する自由惑星同盟に生まれ、共和政治の腐敗と戦争の愚かさを嘆く、不敗の名将ヤン・ウェンリー。二人は、戦場で幾度となく相対し、それぞれの理想と現実の中で戦い続ける。ラインハルトは、自らの手で宇宙を手に入れることを目的とし、信頼できる友と、部下と共に、新たな統一国家を作ろうとする。ヤンは、たとえどんなに政治が腐敗しても、共和政治は専制政治に勝ると信じ、自らの信念の下で戦う。しかし、運命とは皮肉なもの。二人は、大きなものを得るために、友や部下、大切な人の命を次々と失っていく。そして、最後に残るものは・・・。

 戦争を通じて、また、2つの相反する国家の姿を通じて、正しい社会のあり方とは何かを、この物語は描いている。それだけではない。主人公達の姿を通して、人の生き方にも、多くの疑問符を投げかけている。2大勢力の国と、その間に立って、経済面で勢力を伸ばす、独立商人達の星・フェザーン惑星自治領、そして、人類発祥の地を聖地とあおぐ、地球教の信者達。人が信じるものによって、人の生活が、人生そのものが変わるのだということを、思い知らされる。
 「銀河英雄伝説」は、娯楽作品である。しかし、ただの娯楽作品ではない、とも思う。筆者がどこまで意図してこの物語を書いたのか、それはわからない。(もしかしたらどこかで解説していたかもしれないが、それはあくまでも筆者個人の考え方であって、参考までのものである。)しかし、この物語を読んで、何かしらの思いを巡らせない者はまずいないだろうと思う。

 こんな短い文章で、銀英伝のすべては語り尽くせない。新書版で全10巻、外伝4巻、他にも、単行本に未収録の作品がある。これだけの内容を、この程度の文章で全てわかってもらおうとは思っていない。あらすじも、大きな枠でしかとらえていないので、これだけが全てだとは、思ってほしくない。内容を全て把握するには、やはり原作を読む以外に、方法はない。

 第1巻が刊行されて15年以上が経つ。その間に、全編アニメ化もされたし、文庫化もされた。部分的にだが、コミック版も発行されている。しかも、それらは全て、ここ最近のものである。作品が世に出てから数年経って後、これほどメディアに取り上げられる作品というのも、珍しいのではないだろうか。それだけ、この作品が皆に愛されている証でもあるだろう。


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